• <事務局通信>

2017年11月15日

アステイオン30周年ベスト論文選が刊行されます

『アステイオン30周年ベスト論文選 1986-2016 冷戦後の世界と平成』が11月17日(金)にCCCメディアハウスより発売されます



<画像の詳細はこちらのpdfファイルをご覧ください>


世界では冷戦、国内では昭和の終焉を迎えつつあった1986年に創刊された『アステイオン』は、硬直したイデオロギーや日々消費されていく時事から少し距離をとりながら、長期的な視野をもって、その時々の潮流を汲み取ってきました。

創刊30周年を迎えた昨年、出版元であるCCCメディアハウスより「いまこそ『アステイオン』を通して時代を振り返るべきタイミングではないか」と今回の出版企画のお話をいただきました。そして、アステイオン編集委員の先生方ご協力のもと、書籍第一編集部の小林薫さんを中心に編集作業を進めていただき、このたびの刊行の運びとなりました。


小林さんより論文選刊行にあたり、以下のコメントを寄せていただいています。

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『アステイオン』という雑誌は学生時代に大学図書館で読んだことはあったのですが、誌上で発表された多くの論考が国内外の学術研究、言論空間、外交や政策にも少なからず影響を与えてきたこと、そしてその論考を元に数々の名著が生まれてきたことを知ったのは、担当編集になった6年前でした。その責任と重みを年々感じ、バックナンバーを活かす方法を考えてきたため、今回、このように『アステイオン創刊30周年ベスト論文選 1986-2016 冷戦後の世界と平成』としてまとめることができたことを嬉しく思っています。

『アステイオン』が創刊された1986年、私は小学校2年生で、上野公園に赤ちゃんパンダのトントンが生まれた以外には、チャレンジャー号事故、チェルノブイリ原発事故があったことをうっすら覚えている程度で、その後もバブルを直接的に経験することもなく、就職難の2000年頃に社会に放り出されたという思いのある、アラフォー世代です。

「自分たちは不遇な時代にあたってしまった」と実際に不満を漏らすことが多い世代ですが、当たっている部分とそうでない部分があると、今回、制作を進めながら考えました。それは、国際化、情報化、そして地政学的な変化から、今の状況は90年代初頭にはすでに見通されており、『アステイオン』誌上で多くの論者によってさまざまな議論、提言がなされていたことを知ったからです。それがどれほど世に届き、さらに政策に反映されたか否かは、別途検証しなくてはいけませんが、将来の日本、日本の国際的役割などについて、今でも古びない、現実的で非常に緻密な議論が『アステイオン』で展開されていたことを今回、全タイトルに目を通すことで初めて知りました。

私は論壇が一定の影響力を持っていた時代をリアルタイムには知らない世代です。ですから、『アステイオン創刊30周年ベスト論文選』は私の世代にとっては「先行研究」のようなもので、現代の問題がそもそも過去に議論されたことなのか、それともまったく新しい議論であるのかを知り、前進するための道しるべになると考えます。

現在の日本の財政状況、高齢化・少子化問題など、専門家から見たら本当に家の屋台骨がボロボロという状況かもしれません。しかし、今や社会の中堅となりつつある同世代の研究者や言論人の「知」を結集することで乗り切ることができると信じ、これからも『アステイオン』が知のアリーナとして機能し続けることを願っています。

インターネットでさまざまな議論がなされる時代に、紙の論壇誌に居場所はあるのかと、私自身が悲観的な時期がありました。しかし、『アステイオン』に関していえば、今、少しずつ売り部数を伸ばしています。それはアステイオン編集委員の各先生が自らPRしてくださることに頼るところも大きいのですが、特に30代、40代からの反応が増えています。

今回、全4巻の他に「総目次」を作り、過去30年間の『アステイオン』のタイトルすべてを掲載しました。多くの皆さまにバックナンバーにアクセスして欲しいという思いはもちろんのこと、いま一度『アステイオン』の全タイトルを共有することで少しでも知への貢献をしたいという思いもあります(実際、この総目次を参考に私を含めた出版界は新たな企画や本を作れると思います)。

インターネットとの住み分け、世界への発信など『アステイオン』には新たな課題もありますが、『アステイオン』らしさを見失わずにいれば、これからも新しい読者を獲得する媒体であり続けるはずです。20年後に50周年企画ができることを今から楽しみにしています。

 (CCCメディアハウス書籍第一編集部 アステイオン担当 小林薫)
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冷戦終結の年に生まれた私自身も、自分の生きる現代の大きなうねりをこの論文選を通じて知り、考えたいと思います。

日本を代表する論者たちが冷戦後の世界と平成をどのように見て、『アステイオン』で論じてきたのか。この機会に、ぜひお手にとっていただければ嬉しく存じます。



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アステイオン創刊30周年
ベスト論文選1986-2016 冷戦後の世界と平成


発行  2017年9月29日
総監修  山崎正和・田所昌幸
編集協力 公益財団法人サントリー文化財団、アステイオン編集委員会
編集  CCCメディアハウス

全4巻+総目次(総頁数2738+輸送用ケース)

定価:35,000円+税 *分売不可

第Ⅰ巻 政治・経済(国際編)

第Ⅱ巻 政治・経済(国内編)
第Ⅲ巻 日本論・日本文化論
第Ⅳ巻 思想・文学・社会
総目次 (総目次/アステイオン・グラヴィア/特別企画)

<お問い合わせ>
(株)CCCメディアハウス 販売局
℡:03-5436-5721
◆こちらで目次をご覧いただけます。
http://books.cccmh.co.jp/list/detail/2163/
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投稿者(栗)

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