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2019年04月18日

学芸ライヴ(大阪)vol.1 「役に立つって何?-モンゴル×超ひも理論×シロアリ-」を開催

サントリー文化財団設立40周年記念イベント 学芸ライヴ(大阪)vol.1「役に立つって何? -モンゴル×超ひも理論×シロアリ-」を開催しました。

(左から)大竹文雄先生、小長谷有紀先生、橋本幸士先生、松浦健二先生

設立40周年を迎える今年、サントリー文化財団では「〈知〉をつなぐ、〈知〉をひらく、〈知〉をたのしむ」をコンセプトに様々な記念事業を展開しています。そのひとつである学芸ライヴは、異なる専門分野の研究者をお迎えし、専門領域を超えて予定調和なしで議論をくり広げていただく、臨場感溢れる舞台です。大阪では、大竹文雄氏(大阪大学大学院経済学研究科教授)がファシリテーターを務め、春と秋の2回開催します。

4月15日(月)に開催した1回目は、ゲストの小長谷有紀氏(日本学術振興会監事)、橋本幸士氏(大阪大学大学院理学研究科教授)、松浦健二氏(京都大学大学院農学研究科教授)に「役に立つって何?」をテーマににお話しいただきました。


昨今、基礎科学研究への予算削減や国立大学における文系不要論など、大学での研究や教育が社会の役に立っていないのではないかという意見に対して、その有用性を一般の方や国へどう説明するかを問われる場面が増えています。しかし、研究者は強烈な情熱を持つ(持ってしまった)ものを研究対象とするため、学問の価値が自身の体験そのものに帰する部分が多いこと、またそれぞれの重要性は体系のなかにあって初めて価値をつかめるものであって、その学問をもってその学問自体の存在価値は定められないことなどから、その説明の難しさやジレンマが多くあると言います。

こうした状況のなか、"最初から役に立つと思っていたことが、いま役に立っていることではない"という共通理解を持ってもらうために何ができるのか、様々な意見が交わされました。(文字にすると伝わりづらいのですが)「役に立ちませんと言い切るのではなく役に立つと思っていなかったことが突然役に立った例を常に出す必要がある」、「子どもに対してどう伝えるかということに少なからず投じるべき」、「研究者の存在意義を証明できるような社会と繋がるシステムをぜひメディアに担ってほしい」、「研究の内容ではなく研究者そのものを見せていくことで、ボトムアップでファン(市民)が増えるのでは」など、熱量を持った提案が次々とあり、スピーカーとオーディエンスの一体感が生まれるライブならではの時間となりました


一方で議論が有用性の説明に偏るのではなく、「自分で「問う自分自身」を常に問い続けなければ、間違った有用性の方向へ行ってしまう。有用性に従う、あるいは誘導されることには注意しなければいけない」といった研究者としての学問への向き合い方が丁寧に語られていたことも非常に印象的でした。

当日の詳しい内容については、後日公開予定です。

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投稿者(栗)

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