- 地域文化ナビ
2013年10月01日
- [近畿]
能勢 浄瑠璃の里/神社公演
2013年9月14日、大阪の最北端、能勢町の人形浄瑠璃神社公演を観に行って来ました。
◆サントリー地域文化賞受賞者プロフィール
https://www.suntory.co.jp/sfnd/prize_cca/detail/2007kk1.html
◆能勢町 淨るりシアター公式HP
http://www.jyoruri.jp/
能勢町には江戸時代から続く三味線と語りだけの素浄瑠璃の伝統があり、人口1万人あまりの町に浄瑠璃語りの太夫が200人以上暮らす浄瑠璃の里です。
1998年、その素浄瑠璃に人形と囃子を加え、新たに人形浄瑠璃が始まりました。指導と監修は、文楽座の人間国宝の太夫や人形遣いの先生方という豪華な顔ぶれです。
毎年6月に行われる町立「淨るりシアター」での定期公演は何度か観に行っていますが、神社公演は今回が初めて。台風が近づいていて、雨女の私としてはお天気が心配でしたが、当日は終日曇り空。残暑が続く中、屋外で過ごすのにちょうどいい気温でした。
会場となった倉垣天満宮は平安時代中期の創建という由緒のある神社。
歌垣山の麓にある社へと向かう参道は、蝋燭の灯りで照らされ、雰囲気が盛り上がります。
ライトアップされた参道
拝殿に置かれた、上演目録を記した屏風もとても洒落ています。
淨るりシアターがインターンとして受け入れている大学生たちのアイディアだそうです。
「やっぱり、若いひとたちの発想は自由でいいですね」と、淨るりシアターの館長、松田さんがおっしゃっていましたが、そういうアイディアを面白いと言って受け入れる能勢の皆さんもお若いです!
上演番組を紹介する屏風
オープニングは定番の「能勢三番叟」。能勢の自然や風物、行事などを読み込んだオリジナル作品です。
続いて演じられたのは素浄瑠璃の「艶(あで)容(すがた)女(おんな)舞(まい)衣(ぎぬ) 酒屋の段」、「かか様の名はぁ~」で皆さんご存知の人形浄瑠璃「傾城阿波の鳴門 巡礼歌の段」と「伊達娘恋(こいの)緋(ひ)鹿子(がのこ) ~火の見櫓の段」。「傾城阿波の鳴門」では、思わず泣いてしまいました。
舞台の後ろには杉の大木がそびえ、木の香りがただよい、すだくような虫の声が聞こえてきます。
地べたに敷いたビニールシートに座っている300人あまりの観客は、ほとんどがご近所にお住まいの方々とか。
さすが浄瑠璃の里、語りの名場面になると掛け声が飛び、拍手が沸き起こります。シアター公演では見られなかった光景です。
なんだか、素敵な村祭りにこっそりまぜて頂いたような、あたたかい、嬉しい気分になりました。
6月の淨るりシアターでの公演については、雑誌「アステイオン79号」(11月発売予定)のグラビアページ「地域は舞台」で詳しく紹介されますのでお楽しみに。