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2013年10月08日
- [中部]
遊びをせんとや生まれけむ 伏木相撲愛好會
2013年9月22日、富山県高岡市の伏木(ふしき)相撲愛好會の皆さんを訪ねました。
伏木場所大相撲 土俵入り
◆サントリー地域文化賞受賞者プロフィール
https://www.suntory.co.jp/sfnd/prize_cca/detail/2012c4.html
伏木は、越中の国の国府が置かれた土地。
その後、伏木港の海運業も栄え、往時の繁栄を偲ばせる町並みが続きます。
訪ねたのはそうした町の一角、ではなく、倉庫。
それが伏木相撲愛好會の皆さんの本拠地である「伏木国技館」です。
伏木国技館
會が始まったのは今から24年前。
この町に住む当時40歳前後の男たちが、相撲が一番強いのは誰かで言い合いになり、翌日、決着をつけるために小学校の土俵に集まったのがきっかけとか。
それから本格的に相撲が始まり、9月の伏木場所大相撲は、赤ちゃんの「泣き相撲」、幼稚園児の「序の口」、小学生男子の「十両」、中学生以上男子の「幕内」、小学生女子の「女子相撲児童の部」などがあり、毎年100人近い人が参加する大イベントになっています。
実は、訪問した日の前日、今年9月1日に行われた伏木場所優勝力士の祝賀会があったばかり。
相撲愛好會の4代目会長で立行事の四海浪錦太夫こと歯科医の四日隆夫さんは、前の日のことは、後半、なにも覚えていないとおっしゃっていたのですが、訪ねたのはお昼過ぎにも関わらず、集まってくださった20人近くの皆さんと、飲むは飲むは。
聞くところによると、この伏木国技館に毎週4回くらいは集まって、会議や作業の後、飲み会が開かれているそうです。
「そういえば、ここが出来てから、近所の飲み屋に行かなくなったなー」って、そりゃそうでしょうねぇ。
私もお酒は嗜むほうなので、自分の飲み代として持参したウィスキー「山崎」をくいくい飲んでいましたら、ありがたくも四股名を頂戴してしまいました。
洋酒部屋 酒呑山(しゅてんざん)
新しくつけられた四股名は国技館に張り出される
午後3時に飲み会はお開きに。
なんと皆さん、これからボートの練習に行かれるとのこと。
この會の皆さんは、相撲だけでなく、4人漕ぎのボート、サイクリング、ハイキング、遠泳などの大会にも出場されているのです。
名づけて伏木近代5種。
番付表、化粧まわし、のぼり、優勝杯まで作り、土俵入り、番付編成会議、稽古総見もするこだわり。
競技としての相撲には真摯に取り組みつつも、遊び心が溢れています。
遊びをせんとや生まれけむ。
ほんまに皆さん、よう遊びはります。
大人が真剣に遊びたおす伏木相撲愛好會の皆さんの姿に、心より感服いたしました。