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2015年11月09日

  • [近畿]

能勢人形浄瑠璃「鹿角座」の公演

 少し前になりますが、8月28日(金)森ノ宮ピロティホールで行われた、2007年にサントリー地域文化賞を受賞した能勢人形浄瑠璃「鹿角座」公演を観賞してきました。

 能勢人形浄瑠璃プロフィール

 https://www.suntory.co.jp/sfnd/prize_cca/detail/2007kk1.html

 大阪府能勢町には江戸時代から続く三味線と語りだけの素浄瑠璃の伝統があり、人口1万人あまりの町に浄瑠璃語りの太夫が200人以上暮らす浄瑠璃の里です。1998年、その素浄瑠璃に人形と囃子を加え、新たに人形浄瑠璃が始まりました。指導と監修は、文楽座の人間国宝の太夫や人形遣いの先生方という豪華な顔ぶれです。

 今回は能勢以外では初の単独自主公演となり、会場ホールも1,000人規模の大きな会場のため、浄瑠璃シアターの松田館長もお客さんの入りを気にされていましたが、いざ当日を迎えるとほぼ満席。人気の高さを感じました。


ホール入り口。開場を待つ人たちが外にあふれています。
ホール入り口。会場を待つ人たちが外にあふれています


会場内のロビーでは鹿角座の説明、展示が並べられておりました。 

 
最初の演目は「能勢三番叟」。能勢オリジナルの演目です。


大人に混じって、子どもも「語り」をしております。

 

 続いて、子どもたちによる「組曲『一寸鳥渡』」。子どもたちだけでの演奏は多少ずれる所もありましたがそこがまた微笑ましく、心温まるものでした。

 

 次は「傾城阿波の鳴門 巡礼歌の段」。上演前に公演するストーリーを事前に説明してくれたので内容を理解しながら観ることが出来ました。


親子の別れを表現した悲しいストーリーです。


母親がと子どもの別れのシーン。涙が出てきます。

 

 最後は「名月乗桂木」。能勢を舞台としたオリジナルストーリーは笑いの要素を入れつつとてもわかりやすいストーリーとなっております。雨の多い能勢の地域で夫婦と恋人同士の二組のカップルが月がでるか出ないかで人生が変わってしまうという物語。テンポも非常に早く、あっという間に時間が過ぎていきました。ハッピーエンドで終わる物語は、浄瑠璃では珍しいことだそうです。


雨の多い能勢の風土を現代の「天気予報」風に説明。会場から笑いが。

 

 公演終了後は拍手が鳴り止まず、ホール全体に満足感に満ち溢れた、非常に盛り上がった公演となりました。

 4月に文化財団に来た私にとって、地域文化賞受賞者の活動に直に接するのは今回が初めて。最初は浄瑠璃についても教科書程度の知識しかなく、内容を理解できるかと不安いっぱいでしたが、公演内容を現代に合ったものに工夫してあったので、私のような素人でも非常に楽しめる舞台でした。

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投稿者(藤)

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