- 地域文化ナビ
2016年10月07日
- [中部]
日本最大のワールドミュージックの祭典
スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド
2016年8月26日(金)から28日(日)まで、富山県南砺(なんと)市で開催された
「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2016」に行って来ました。
地域文化賞受賞者活動紹介
https://www.suntory.co.jp/sfnd/prize_cca/detail/2002c1.html
スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドHP
http://sukiyakifes.jp/toyama/
今年で26回目を迎えたスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドは、
今や、日本最大のワールド・ミュージックの祭典となっています。
世界10カ国から招いたトップクラスのプロと
地元を中心としたアマチュアのミュージシャンたちが集い、歌い、演奏します。
長年、会期前にアーティストから直接学ぶワークショップを開催し、
その中から誕生した地元のグループもたくさん出演しています。子どもたちによるスティール・ドラムのオーケストラ
「気分はカリビアン」
国際的に活躍する韓国のパーカッショニスト、チャン・ジェヒョ氏(中央)
と競演する「サラマレクム!」ブラジル北部の伝統芸能をベースにしたマラカトゥ。
富山の「トゥーマラッカ」と東京の「バッキバ」、
ワークショップの受講生も合流した100名規模の大パレード。
世界の音楽を聴いて楽しむだけでなく、
自分たちで演奏して、聴いてもらって楽しむ大勢の人々。
ミュージシャンたちや、日本中から集まってくる音楽好きの観客の
お世話をするボランティア・スタッフは、200人を超えるということです。
こうした〝市民参加型〟のフェスティバルが、スキヤキ方式なのですが、
みんな楽しそうです!
フェスティバルの期間中は、パレードやワークショップ、野外コンサート、
世界のフードコーナーなど盛りだくさん。
どのコンサートも高校生以下は無料なので、中高生はもちろん、
小さな子どもを連れた若いお父さん・お母さんもたくさん来ていました。会場をにぎわすメキシコやモザンビークの巨大人形もワークショップから誕生。
制作から人形の操作まで、住民有志によるものです。
左端の人形は〝福野の和田アキ子〟と呼ばれているそうです。
似てる・・・・。
フェスティバルの開催地、旧福野町(2004年、合併して南砺市に)は、
散居村で有名な砺波平野のほぼ中央部に位置しています。屋敷林に囲まれた、美しく豪壮な屋敷が田園のなかに点在
スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドは、そんな福野町の青年たちが
団結して始めたものです。
でも、イベント名に地名がついていないことに
皆さん、お気づきでしょうか?
国境を越えた音楽の祭典に地域の垣根は必要ないのです。
実行委員会やワールド・ミュージックを演奏している地元の人たちの中には、
Iターンの人たちや、福野以外の周辺のまちから通ってくる人もたくさんいます。初代実行委員長の河合秀和さん(右)、現実行委員長の橋本正俊さん(中央)、前実行委員長の村中清孝さん(左)。
村中さんは、青森県のご出身。フランス語、英語、日本語を駆使する敏腕プロデューサー、
ニコラ・リバレさんは富山に何度も遊びに来ているうちに、
スキヤキの魅力に引き込まれて、フランスから福野に移住。
最近は、福野でのフェスティバル終了後に
参加したミュージシャンたちによるツアーも開催。
今年も東京、名古屋、沖縄で大盛況をおさめました。
フェスティバルが縁で知り合ったアーティストたちによる、
国境を越えたオリジナル・ユニットも誕生しています。
いいと思ったことは、果敢にどんどん取り組んできた結果、
スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドは日本最大と呼ばれるまでに成長したのです。
苦しいときには ♪ 涙がぁ こぼれないように ♪
そして更なる高みを目指して、常に上を向いて歩き続けた4半世紀。
ローカルだけどグローバルなスキヤキは、とても素敵なお祭りでした。