- 事務局通信
2017年10月23日
「グローバルな文脈での日本」仙台で研究会を開催
サントリー文化財団が行うプロジェクト「グローバルな文脈での日本」では、日本が直面する問題を国際的な視野で議論するため、海外の研究者も交えて研究会を開催しています。12回目となる今回は「災害からの復興」をテーマとして取り上げ、2017年10月7日に仙台で開催しました。
会議に先立つ10月6日には、2011年3月11日の東日本大震災で被害を受けた宮城県沿岸地域の視察を行いました。東松島市では航空自衛隊松島基地を訪問し、津波による被害状況と復興への取り組みについての説明を受けました。現在では、基地の滑走路および航空機の格納庫のかさ上げ工事を行い、災害時には津波等の情報をより的確に把握できる情報網を構築するなど、災害に強い基地として復興を遂げているとのことです。
続いて、石巻市では地域の「震災の語り部」とともに街を一望できる日和山公園を訪れ、震災当時の話を伺いました。街の中心地の高台に位置するこの公園には約25000人の市民が避難したとのことです。
石巻は漫画家・石ノ森章太郎のゆかりの地でもあり、同市を流れる旧北上川の中洲にある石ノ森萬画館は、石巻復興のシンボルとして親しまれています。漫画やアニメなどが多くの世代の人々に親しまれている様子は、海外からの参加者の関心を引いていました。
さらに、石巻市の北端に位置する大川小学校の跡地や、南三陸町の旧防災庁舎や新しくオープンした南三陸さんさん商店街などを訪れました。
11月7日の研究会では、東京大学教授の牧原出氏とカナダ・ライアソン大学のリーピン・ファン教授による報告に続き、参加者による議論を行いました。研究会の内容については、ウェブサイトに英語と日本語で公開していまが、今回の研究会の内容も後日掲載予定です。