- 事務局通信
2018年09月25日
2020年代の日本と世界─「ポスト東京オリンピック」と「戦後」の転換を目指して
サントリー文化財団の調査研究プロジェクトの一つである「2020年代の日本と世界」の研究合宿を、2018年9月6日から2日間、大阪で開催しました。
この研究会は東京オリンピック後の日本のあり方を考えてようと、昨年より準備をすすめてきました。人口減少、テクノロジーの発達、災害の多発などが予想される2020年代、私たちはどのような社会を築いていくべきか。メンバーは牧原 出氏(東京大学教授)、饗庭 伸氏(首都大学東京都教授)、稲泉 連氏(ノンフィクション作家)、西田 亮介氏(東京工業大学准教授)、村井 良太氏(駒澤大学教授)、安田 洋祐氏(大阪大学大学准教授)という顔ぶれです。
合宿一日目は、大阪市のサントリー文化財団に集まり、8時間以上にわたる研究会を行いました。政治、経済、社会、都市問題などの様々な視点から、現在社会の課題や起こりつつある変化について、活発な議論が繰り広げられました。
二日目の9月7日には、1970年に万国博覧会が行われた吹田市の千里万博記念公園にある「国立民族学博物館」を訪問。そこで、同館名誉教授の久保正敏氏から、博物館とは研究者の成果発信をする場であり、かつ市民が自ら発見し知的生産を行う場であるという、梅棹忠夫初代館長の理念のもとに民族学博物館が運営されていることなどを説明をいただきました。
続いて、万博のシンボルとして市民に親しまれ、48年ぶりに内部が復元・公開されている「太陽の塔」を見学しました。二日間の研究合宿を通じて、万博というイベントが大阪および日本に与えたインパクトを改めて実感するとともに、2020年に開催する東京オリンピックや、2025年に誘致予定の大阪万博がどのような役割を果たすべきかを考える貴重な機会となりました。
合宿の締めくくりはサントリー山崎蒸溜所。ウイスキーと同じように、この研究会でもじっくりと議論を熟成させて成果を発表する予定です。