- 地域文化ナビ
2019年10月18日
- [中部]
「南砺市いなみ国際木彫刻キャンプ2019」に行ってきました!
富山県南砺市井波地区は、「日本一の木彫りの町」。200年以上続く「井波彫刻」の伝統を受け継ぐ職人たちが、欄間、ついたて、山車飾り、置物などの木彫刻作品を全国に供給しています。
この町では4年に一度「南砺市いなみ国際木彫刻キャンプ」が開催されています。地元の作家や住民たちが世界各国の彫刻家を迎え入れ、約2週間の公開制作をサポートします。
最終日となる8月30日(金)、キャンプ閉会式とフェアウェルパーティに参加させていただきました。
◆「南砺市いなみ国際木彫刻キャンプ」サントリー地域文化賞のプロフィール
https://www.suntory.co.jp/sfnd/prize_cca/detail/1996c1.html
こちらが会場となった井波芸術の森公園に並ぶ完成作品の数々!雨上がりの会場には、製材であるクスノキの良い香りがたちのぼっていました。
制作にあたっては、チェーンソーを使って大きな原木から形を切り出し、後はノミなどで仕上げていくことが多いそうです。が、中にはチェーンソーだけで仕上げる方も!作風、手法共に様々です。
最終調整を行うアメリカの作家さん。深い青が素敵な作品で、目を引きました。
作品横にはこのような案内板が。単に作品を作るだけではなく、作家にとっても地元市民にとっても、交流が大きな楽しみとなっています。
夕方からは井波文化センターにて閉会式が行われました。
作家一人ひとりが壇上に上がり、記念の像と修了証を受け取り、スピーチをします。通訳は、すべて学生やボランティアの方々です。作家からは「もてなし、細かい心配りなど、すべてすばらしかったと国に帰って伝えたい」というコメントをはじめ、「感謝」「大成功」という言葉がたくさん聞かれました。また、地元の彫刻家からは「普段はあまり思わないけれども、彫刻はたのしい!(作品を通じて)言葉を越えて伝えられるものがあることにあらためて気付けた。」という言葉も。このキャンプが地元にとって本当に良い刺激になっているのが伝わってきました。
会場を移してのフェアウェルパーティ。
作家はもちろん、スタッフの皆さんも充実感にあふれていました!
キャンプの発足から関わっていらっしゃる川原和夫さん(南砺市美術連合会会長)と長谷川総一郎さん(南砺市いなみ国際木彫刻実行委員会顧問)。
今回初めてアフリカの作家を招いたのがとても良い刺激になったこと、選定にあたっては、抽象と具象のバランスや男女の数、個人の性格など様々な配慮をされていることなどを伺いました。ここ数年はインターネットを通じて詳しい情報収集が可能になったり、翻訳機を使ってコミュニケーションをとれるようになったりなど、科学技術の助けによる変化もあるそうです。
それでもやはり作家目線の細やかなケアは大切で、だからこそ良い作品が生まれているということをお二人のお話から感じました。
回を重ねるごとに進化してゆく「南砺市いなみ国際木彫刻キャンプ」。次回はどんな作家が選ばれて、どんな作品ができるのか、とても楽しみです!!