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2019年10月03日

  • [中部]

今年のサントリー賞は・・・?伝統三百余年の奇祭「福岡町つくりもんまつり」

富山県高岡市で毎年9月23日、24日の二日間にわたって行われる"奇祭"、「福岡町つくりもんまつり」を今年も訪問しました。


「つくりもん」とは、野菜や果物、自然の草花を巧みに利用し、地元の風物や時節の話題をテーマに趣向を凝らした見立て細工です。高岡市福岡町では、300年以上前から五穀豊穣に感謝し、つくりもんをつくるという文化が根付いています。

今年のつくりもんまつりも力作揃い!まちのいたるところに展示された35の作品を鑑賞しに多くの方が訪れていました。今回はその一部をご紹介します!



◆夏場所で初優勝!
今年5月の夏場所で初優勝した富山出身の朝乃山関。地元の英雄とあって、いくつも相撲の作品が展示されていました。どれもいまにも動き出しそうな躍動感溢れる作品ばかり!


同じテーマを扱っていても、使っている素材やサイズ感、場面の切り取り方などがまったく違うので、比較しながら見てまわれるのも楽しみのひとつです。


◆実写映画化で話題のあの作品!
映画館へ足を運ばれた方も多いであろう今夏話題のアラジンをモチーフにしたこちらのつくりもんは、素材の色合いを生かして見事にアラビアンナイトを表現していました。

近寄ってみてみるとスライスされたしいたけが!こうした細やかな作業がこうした世界観をつくりあげています。


◆世界中が熱狂!ラグビーW杯
2020年開催の東京オリンピックをテーマにした作品も多くありましたが、現在日本で開催中のラグビーワールドカップを応援する作品もありました。スタンドから応援する人たちの表情も笑顔です。


そしてフィールドに目を移してみると、なんとスクラムの再現力が高いこと!じゃがいもとなすでチーム分けもわかりやすく、見ていてとても楽しいつくりもんでした。


◆今年のサントリー賞は・・・?
つくりもんまつりでは昭和30年代からコンクール形式を採用され、優勝、次勝、参勝などが設けられています。2007年からはサントリー地域文化賞受賞(2006年)をきっかけに新たに「サントリー賞」を設けてくださり、毎年サントリー酒類(株)北陸支店と文化財団とで審査をさせていただいています。

いずれも制作された皆さんの想いが伝わってくる温かいものばかりで、一つを選ぶのは本当に難しかったですが、今年の「サントリー賞」には清水町自治会の「清水町 みんなで大合唱!!」を選ばせていただきました。




素材の形を生かした素朴さがありながら歌っている皆さん一人ひとりの表情が豊かで、いまにも楽しい歌声が聞こえてきそう。心が躍るとても素敵な作品でした。ご受賞おめでとうございます!


◆今年の優勝作品ははこちら!
そして見事今年の優勝作品に選ばれたのは、にぎわいを見せる昼の東京と夜景の花火の情緒溢れる夜の東京を表した新栄自治会の「東京さんぽ」です。


見た瞬間に思わず「おー!!」と声が漏れるほどの立派なつくりもん。大きな作品でありながら細やかなこだわりが詰まっている素晴らしい作品でした。使った素材もこんなにたくさん!大胆な構成力にアイデア、丁寧な作業に臨機応変な対応力・・・様々な要素が上手く組み合わさり一つの作品が出来上がることが伝わってきました。


歴史あるお祭りに審査員として関わらせていただいている幸せを感じる3時間でした!ぜひ皆さんも来年のつくりもんまつりを訪れてみてください!


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投稿者(栗)

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