• 事務局通信

2019年11月20日

「美」をテーマに「堂島サロン」を開催

11月14日(木)の堂島サロンのテーマは「『美』の探究は、人間の知にとってどのような位置を占めるのか」。
ゲストスピーカーは美学がご専門の瀧一郎先生(大阪教育大学教授)。「美」という価値が歴史的にどのように探求されてきたのか、古代ギリシアの美学思想とユダヤ・キリスト教の美学思想を比較しながらたどり、さらに両者を統合する思想としてフランスの哲学者アンリ・ベルクソンの美学を紹介されました。


本格的な美学のご講演の後、議論は堂島サロンならではのユニークな展開に。
学校の「美化委員」に表されるように「美」の探究は不純物を排除するという面もあり、危険性もあるのでは?という質問に始まり、「美」は本当に真善とならぶ絶対的価値なのか?一見美しく聞こえない演奏が心に響くことがある、ふぞろいの「美」もあるのでは?誰もが哲学的な概念整理をしている訳ではないが、どのように共に「善く生きる」を実践するのか?もし「死」の概念がなかったら「美」はどうなるのか?といった本質的な質問が次々と出されました。
この日のディスカッションゲストは科学者、演奏家、美術館の経営に関わる方など、多様なバックグラウンドの方々。それぞれの現場で日ごろ感じている「美」についての問いが出され、それを参加者皆で考えるという形で議論が深まり、まさに知の面白さを感じることのできるサロンとなりました。

詳しい内容は後日WEB ESSAYSのページにてご紹介します。ぜひご覧下さい!


<「堂島サロン」とは>
サントリー文化財団では、「人文・社会科学や大学、学問などについて自由に語り合うサロンのような場があれば」との想いから、2017年度より大阪・堂島にある財団にて年4回のペースで「堂島サロン」を開催しています。毎回、猪木武徳氏、宇野重規氏、大竹文雄氏、堂目卓生氏の4名の先生方からなるホストが、様々な分野からスピーカーおよびゲストをお迎えし、対話を重ねてきました。

<過去の内容をお読みいただけます>
◇「文脈を学ぶための出会ひの場としての大学」(田島正樹氏)
◇「大学改革と人文社会科学のゆくえ」(宇野重規氏、堂目卓生氏)
◇「教養と専門」(鷲田清一氏)
◇「関西の歴史学概観」(井上章一氏)
◇「Society5.0時代の人材教育」(栄藤稔氏)
◇「科学・技術の進化と未来社会のデザイン」(西村勇哉氏)
◇「文系/理系:分断の歴史から考える現在」(隠岐さや香氏)
◇「"生活のたのしみ"としての学び」(河野通和氏)

ページトップへ

ページトップへ