- 地域文化ナビ
2020年05月18日
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サントリー地域文化賞選考委員からのメッセージ①
このたびの新型コロナウィルス感染拡大に伴い、全国の地域文化活動が中止や延期、活動の停滞を余儀なくされていると伺っております。生活にも多大な影響を受けられている中、担い手の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
このような事態を受けて、弊財団として少しでも皆様のお力になれることはないかと考え、サントリー地域文化賞選考委員より励ましのメッセージをお届けさせていただくことにいたしました。
このブログにて、5人の方々のメッセージを順次ご紹介させていただきます。
今回は、東京大学名誉教授の藤森照信先生と、政策研究大学院大学教授の飯尾潤先生の文章を掲載します。
<藤森照信先生からのメッセージ>
地域文化の内奥には、人類と世界に共通する質があります。
それを探り当ててください。
<飯尾潤先生からのメッセージ>
手が触れあうほど固まって踊る。かけ声を掛け合って山車を引く。寄り添って歌う。舞台と客席が一体となる。肩を抱き合って歓びを分かち合う。関係者そろって打ち上げの乾杯。地域文化活動には、人と人との密集・密接が不可欠だ。新型ウィルスの蔓延は、これを妨害する。中止や延期の知らせが続いて、それに心が引き裂かれる。
それどころか、外出自粛や活動抑制で生活が成り立たない関係者もあるだろう。普通なら、こういうときだからこそ、支え合って活動を続けましょうと言いたいところだが、それができない。
毎年同じ周期で続けてきたことを中断するダメージは大きい。できることを見つけて細々とでも活動を継続するのはもちろん、本番を休んでいる間に、活動のあり方を自己点検するのもひとつだ。これまで気付かなかった点に目が向いて、活動の新たな展望が開けてくるかもしれない。ともかくも、再開へ向けて知恵を絞るときである。
いずれにせよ、やるべきことに熱中する開放感・達成感を欠くなかでの活動になる。跳び上がるためには、いったんは屈まなくてはならない。今は、見えない力に押さえつけられ、屈まざるをえない状況だが、この姿勢が未来の飛躍につながると信じたい。今がつらいだけに、復活の歓びはいかばかりか。夜明けを信じ、辛抱に密かな喜びを見いだして、堪え忍びましょう。