• 事務局通信

2020年03月27日

  • [九州・沖縄]

留学生たちと訪ねた宮崎県高千穂町

サントリー文化財団が研究助成をする外国人若手研究者(サントリーフェロー)の皆さんが、サントリー地域文化賞受賞者を訪問し、多様な日本の地域文化を学ぶ「サントリー地域文化研修旅行」を2020年1月12日(日)、13日(月)に開催しました。

今年は、中国・韓国・ベネズエラ・クロアチアなどさまざまなルーツを持つ留学生の皆さんと宮崎県・熊本県を訪問しました。

14回目の開催となる本研修旅行は、忙しく勉強に励む留学生の皆さんに研究室を飛び出し、日本各地の多彩で豊かな文化を知ってもらいたい、という願いから企画しています。


1日目は、昨年「高千穂の神楽」がサントリー地域文化賞を受賞された宮崎県高千穂町を訪問。日本神話ゆかりのこの町では毎年冬期に、一晩中神様に神楽を奉納する「夜神楽」が各集落で行われています。また、高千穂神社では、観光客向けの神楽が365日毎晩上演されています。今回の旅行では、この観光客向けの神楽を拝見してきました。


到着後、まずは郷土料理のお店「あららぎ乃茶屋」さんで腹ごしらえ。名物の鳥の丸焼きに舌鼓を打ちました。



昼食後は、高千穂町観光協会の丹波由香さんと高千穂町文化財保存調査委員の田尻隆介さんにご案内いただき、高千穂峡を散策しました。
「柱状節理」と呼ばれる柱状の岩がそびえ立つ高千穂峡。雄大な景色に圧倒されます。


次に訪れたのは、高千穂の中心的な神社である「高千穂神社」です。
宮司の後藤俊彦さんにご案内いただき、参拝と見学をしました。


こちらは境内にある「神楽殿」。毎晩ここで神楽が行われています。

その後は、日本神話で「八百万の神が集まり会議を行った」と伝えられる天安河原を訪問。
鳥居のまわりには、参拝者の手で積まれた石が大量に残されており、独特の雰囲気が漂います。


高千穂の神話と自然を体感した後には、後藤さんから高千穂の歴史や、日本古来の自然観や宗教観についてご講演いただきました。

また、夜には高千穂町の皆さんとの懇親会を開催し、観光協会や町役場で働く方々、神楽保存会の皆さんにお越しいただきました。


そしていよいよこの日のメインイベント、「高千穂の神楽」の鑑賞に向かいます。

夜の神楽殿には観光客約100人が集まり、会場は満員でした。
この観光客向けの神楽では、高千穂に伝統的に伝わる33番の神楽のうち、代表的な4番の舞を公開しています。

力持ちの神様「手力雄」(左)

夫婦の神様「イザナギ」「イザナミ」は客席に足をのばし、観客と戯れていました。(右)


上演後、奉仕者殿(ほしゃどん)と呼ばれる舞手の方々と記念撮影。
迫力のあるお面を間近で拝見することができました。

フェローの皆さんからは、「大学で神道に関して学んでいましたが、実際に神楽を見ることができて嬉しく思いました。」「このような、365日神楽を拝見できる取り組みは素晴らしいと感じました」との感想が聞かれました。

この日は高千穂町に宿泊し、翌日は熊本県山都町の「清和文楽館」を訪問しました。
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投稿者(柴)

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