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2018年03月23日

  • [四国]

留学生たちと訪ねた徳島県三好市「四国の秘境 山城・大歩危妖怪村」

サントリーフェローの皆さんとの研修旅行二日目は、徳島市から西へとバスで進むこと二時間、三好市の大歩危にやってきました。

*前日の様子はこちらから


最初に訪れたのは日本三奇橋のひとつ、「祖谷(いや)のかずら橋」です。今年2月に三年に一度の架け替えが完了したばかりで、現地の方からぜひ訪れたほうが良いよとおすすめされて来ましたが、いざ渡ろうと足元を見ると隙間が広く、なかなかのスリルさ!笑顔で写真を撮る人、へっぴり腰で渡る人、リタイアした人と性格があらわになった楽しいひと時でした。



そして、大歩危駅へ移動。この日は2013年にサントリー地域文化賞を受賞された「四国の秘境 山城・大歩危妖怪村」の皆さんとご一緒させていただきました。まずは記念にと、桜の木の植樹をさせていただき、皆大喜び。一人ひとり名前も記し、「桜の花が見られる30年後にまた来ようね」と約束しました。




続いて、妖怪屋敷へと移動し、村長の宮本敬さんと事務局の平田政廣さんに妖怪村の活動についてレクチャーしていただきました。

大歩危は四国の真ん中に位置する四国山地の険しい秘境です。ここでは一歩あやまれば命にかかわる危険な場所が多数あり、古くから事故や事件から身を守る知恵として、妖怪話が語り継がれてきました。


これらの妖怪伝説は村史に少し記述があるものの、ほとんどが口頭で伝承されてきたもの。「四国の秘境 山城・大歩危妖怪村」の皆さんが少しずつ聞き取り調査を重ね、55種類までの妖怪伝説を発掘されたそうです。妖怪屋敷にはたくさんの手作りの妖怪が展示されていましたが、顔も姿ももちろん聞き取り調査からの想像。一つとして同じものはない、というのがまた妖怪の魅力だなと感じます。

そして、昼食にひとつ目妖怪を連想させる妖怪どんぶりをいただき、午後は妖怪に出会いに行きました。


妖怪古道を進むと綺麗な滝つぼがありますが、ここには川赤子(かわあかご)がいました。小さな子どもが淵から誤って落ちないように、また夜遅くまで滝つぼで遊ばないように「滝の淵を通りかかると赤子の声が聞こえる」と言い伝えられてきたそうです。


このように聞き取り調査から発掘された妖怪伝説をもとに、手作りされたモニュメントが各所に設置されています。実際に妖怪がいるとされている場所で解説を伺うと、妖怪伝説が地域の人の暮らしのなかで生き続けているのだとよりリアリティをもって実感することができました。

また、宮本さんと平田さんのご自宅がある集落を向かいの山から眺め、「日当たりの良い上の方から集落ができた」など、大歩危に住む皆さんの生活について多くを学ばせていただきました。


そして最後は遊覧船から吉野川沿いに広がる大歩危峡からの美しい景色を心ゆくまで堪能しました。


こうして大歩危での滞在が終了。最後は駅長の児啼爺に見送られ、名残惜しく大歩危の地を後にしました。

今年もたくさん学び、たくさん笑い、日本の地域文化の豊かさを強く実感する二日間となりました。
事前準備から当日までお心配りいただいた地域文化賞受賞者の皆さま、そして一緒に旅をしてくれたフェローの皆さん、本当にありがとうございました。

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投稿者(栗)

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